うたたねシアター

「サイドカーに犬」(2007/07/20 テーマ:COOL)

新妻になりたての友達の家で夕食をお呼ばれした。食事の後、誰かの手土産の枇杷を食べながら、台所から聴こえる食器を洗う音を聞いていたら、すごーく懐かしい気持ちになった。子供の頃に感じたあの感覚。たまらず口にしたら満場一致。洗い物を順番にかわって、枇杷と甦る感覚を味わいました。小学生の頃、親戚に「ミエたん」と私が呼んでいた素敵なお姉さんがいました。まだ高校生だったけど、早くに亡くなったお母さんの代わりに、炊事洗濯や2人のお兄さん達とお父さんの身の回りの支度も完璧にこなしていた。さらに勉強も出来て現役で医大に行ったし、テニス部も休まなかった。いつからカッコいいことをクールと表現するようになったのか分からないけど、まさにミエたんはクールで私は憧れていました。だから私を言う通りにしたい時は皆「ミエたんなら...」が常套句でした。
そういう憧れのお姉さんな役どころに竹内結子が初挑戦している映画が「サイドカーに犬」。こちらのお姉さんはもう少し年齢も上で、名前は「ヨーコさん」。主人公の薫が10歳のある日母親が家出をし、そこへ現れたのがヨーコさん。明らかにお父さんと不倫状態なわけで、それってどうなのと思うけど、実にカッコ良く薫の目には映っています。喜怒哀楽の振り幅が大きくて、サバサバしてて良い女!子供からすると、お母さんが女性ではなくお母さんって生き物なのと同じで、ヨーコさんはヨーコさんっていう生き物でしかないけど、実は男女のドロドロもあるし、、、今の自分と一緒でいっぱい大変な気持ちも抱えてたんだろうなぁ。私はどれだけお姉さんになれているんだろう。もっと頑張ってみようって思いました。女の人はこの映画を見たらきっといいと思います。私もいつのまにか、お姉さんの当時の年齢を余裕で通り越し、肌だけは確実に年相応になっているけど、いつまでも憧れ続けています。すっかり年下の「憧れのお姉さん」のミエたんに。