うたたねシアター
「インファナル・アフェア」(2003/10/20 テーマ:WILD)
2003/10/20●テーマ:WILD
WILDと聞いて、まっさきに頭に浮かんだのは、香港の俳優トニーレオン。懐かしい?「欲望の翼」の頃の若くギラギラした彼もさることながら、新作「インファナル・アフェア」での実年だからこその哀愁ただようワイルドさ!たまりません。また共演のアンディラウもシュッとした清潔なワイルドさがあっていいー!ストーリーもおもしろい。ずばりテーマは「生き地獄」。2人が歌っているエンディングテーマがこの映画の主題そのまんまなんで最後の最後に腰抜けます。気をつけて!でもホントにいい映画なんですよ。ハリウッドでリメイク(しかもブラピ!)の話がでるくらいだもん。トニーレオンは、実は警官なんだけどマフィアに潜入させられ、ヒヤヒヤしながら麻薬取り引きの情報を警察に流して10年。そして、実はマフィアなんだけど警官になり、警察の内部情報を流し続けて10年のアンディラウ。ある時、お互いがお互いの組織で身分がバレそうになるんですね。そこから生き地獄度が加速していくわけです。殺しあいのシーンはあるんだけど、ないんです。事実だけがあって、人が殺されるシーンが映されない。余計に想像力がかきたてられてワイルドな映画です。私悩んでたんです、アンディラウとトニーレオン、どっちがワイルドかって。トニーレオンは喜怒哀楽が表面に出ていて、情けない発言もあるのね。反対にアンディラウは一見クールに見える。トニーレオンが織田裕二なら、アンディラウは柳葉敏郎、みたいなね。でも、アンディラウは、エリートの道を進むうちに、その現実を手放したくなくなるわけです。マフィアになんて戻れない!でもボスが...。いかにも人間らしい野蛮さを持ってます。そう考えるとアンディラウのほうがワイルドだと言えるかも知れません。出世する人ていうのは良い意味で野蛮なんですよ、きっと。(実際は、香港フィルムアワードで、アンディラウはトニーレオンに最優秀主演男優賞を譲ったんですってよ。)