うたたねシアター

「NINE」(2010/02/20 テーマ:ROOTS)

今月のテーマはルーツですって。なんと難しい...。どちらかというとミニシアターな私ですが、今月はとってもゴージャスな「NINE」というミュージカルムービーを取りあげたいと思います。トニー賞受賞のブロードウェイ・ミュージカルをオールスター・キャストで映画化したもの。主人公のグイドは映画監督。もう撮影が始まるのに最初の1ページ目もまだ書けていないという、これぞスランプという状況。グイドの妄想の中で繰り広げられるエモーショナルでセクシーな歌とダンス。グイドの周りの魅力的な女性達を演じるのは、ペネロペ・クルス/ニコール・キッドマン/ケイト・ハドソン/マリオン・コティヤール/ジュディ・デンチ/ファーギー(ステイシー・ファーガソン)/ソフィア・ローレン!なんとゴージャスなこと!ゴージャスボディなこと!1964年のイタリアが舞台ということで、衣装もまたすてき。さまざまなテーマの衣装でそれぞれのテーマの歌を歌い踊るダイナミックな7体をみてると、最初は「これって男の人の願望ですよねー?」的な苦笑いだったはずが、最終的には、なんか魔法というか催眠術をかけられちゃって、すっかり勘違い。まるでペネロペになったかのような心地で帰宅しました。そう、これですよ!これ!なぜ「ルーツ」がテーマでこの「NINE」を選んだのかと言うと、「映画館を出たあとにヒロイン気分になってる」これぞ、映画が楽しいって思ったイチバン最初の感覚じゃないかなと思ったんです。スターウォーズ見てレイア姫の気分になったり、ET見て自転車飛ぶと思い込んだり、そういうの。あれこれ考える議題が残る映画も好きだけど、単純にズドンとハマってパーッと振り切る映画も、やっぱりいいもんです。そんな、みんなが分かってるような事を、今さらこんな立派な紙面のコラムで大きな声で言いたくなるワタクシ。来月分で、どうやらこのスペースを卒業いたします。最後は頑張りたいです。