うたたねシアター
「おとうと」(2010/01/20 テーマ:REAL)
本当の家族というものを考えさせられる映画、山田洋次監督の「おとうと」を見ました。女手ひとつで娘を育ててきた姉(吉永さゆり)と、大阪で破天荒な暮らしをおくる弟(笑福亭鶴瓶)との再会と別れを描く家族ドラマです。この弟がほんとにやっかいで、現れると必ず事件が起きるのです。親戚中の鼻つまみ。だけど、どうしても切れないのが姉と弟というものなのか。血縁は強いです。
私は一人っ子です。兄弟姉妹がいない。だから想像するしかないですが、好きとか嫌いとかそういう次元じゃないんでしょうね。昔、つきあっていた彼と、彼のお兄さんの事で大げんかしたことがあったのを思い出しました。お兄さんが彼女に子犬をプレゼントしたらしいのだけど、飼えないってことで、私と彼で世話することになったんですね。あまりにも無責任。私はお兄さんが許せない、そして彼は兄を許せない私のことが許せなかったようです。私が彼の事をもっと深く愛していれば、全部受け止められたのかもしれないですが、若かった。映画の紹介になってないかもしれないけれど、とにかく家族という絆について久しぶりに考えました。この映画の弟ほどではないけれど、私もその日暮らしなので、できるだけ親のことは考えないようにしているんです。母のことを思うと、私は自分が情けなくて悲しくなってしまうのです。私の見えない明日の事で心配をかけ続け、こんな年齢まで母を働かせてしまうなんて。母に何かあれば、理由なんて2の次にしてなんとか解決する。きっと母も私にそうしてくれる。だからこそ、心配をかけたくない。あきらめずに頑張る事が母への親孝行だと自分に言い聞かせている。せめて孫の顔でも見せる事が出来れば良いんだけど。
それから、映画には血縁や夫婦さらには赤の他人だけれど縁があって、大事な存在になる人同士、いろいろな暖かい人間関係が出てきます。思うことは多いです。いいご縁がありますように。