うたたねシアター

「フィリップ、きみを愛してる!」(最終回2010/03/20 テーマ:smile)

ユアンマクレガーとジムキャリーのゲイカップルの映画をみた。と言うと「濃いな〜(笑)」てな反応が多いです。ええ、確かに濃ゆかったし、笑えるシーンも多くてラブコメと言ってもいいかも。なのだけど!なんだかそれだけじゃ済まされない、妙にじんわり滲むこの気持ち、これって何だろう?
ジムキャリー扮するスティーブンはIQ164の天才詐欺師。収容された刑務所で、ユアンマクレガー演じるフィリップに一目惚れします。スティーブンはフィリップを幸せにしたい一心で、彼に内緒で詐欺を繰り返して、念願の二人きりのハッピーなセレブ生活をスタート!とはいうものの、やっぱり詐欺が発覚、再び投獄。そこから脱獄・詐欺→投獄→脱獄・詐欺→投獄・・・の繰り返し。ただただユアンを幸せにしたい、会って「愛してる」と伝えたい!それだけのために!あり得ない話だと思うけど、なんと現在もテキサスの刑務所に収監されている詐欺師の人生を描いたドキュメンタリー小説が原作なのだとか!彼は現在52歳であと144年の刑期が残っているらしい。なんとまぁ!スティーブンは元々は妻子ある真面目な警察官だったんですよ。だけど全てを捨てて自分らしく生きることを選んだ結果、嘘に嘘を重ねてしまうという・・・。なんだか文字にすると、切なくて哲学的ですが、すごくポップな映画ですからご安心を。
そして女子目線で見て、これは取り入れたいって思うことがいっぱいあります。なんてったって、ユアンマクレガーが可愛い!何よりとっても心優しい!女の子っぽいんです。あのソフトタッチ、見習うべきとこあるわぁなんて思います。それからジムキャリーのあの情熱。なんて一途なんでしょう。そして正直(詐欺師ですけど)。あんなに素直に追いかけられない。愛情を表現できない。愛とか恋とかだけじゃなく、自分のほんとの気持ち、あんなふうな120%の笑顔で表現できる?
素直に自分の気持ちを誰かに伝えた時、きっと人はいい顔をしていると思うのです。たとえ涙鼻水にまみれて、ぐちゃぐちゃの顔だったとしても。きっとね。色んな感情をまとめて体験できて、考える事ができて、やっぱり映画は楽しい。今月でこのコラムは終わっちゃうけど、難しいことは抜きにして「あれ見た〜?」なんて雑談するムードで、また映画のお話できたらいいなと思います。