ぶつぶつ日記

解体工事






今年はずっとこれからの人生を考えている。イマココは必死に生きていれば、自ずと、次の場所へ道は続いていくはず。そう思って生きてきたけど。私は私の人生をちゃんと歩けているだろうか。これからどこにいくんだろう。
そんな時に、良い言葉に出会った。河尻亨一 著「TIMELESS 石岡瑛子とその時代」に書いてあった、石岡瑛子が使った言葉「解体工事中」。これは石岡瑛子が自分の作品集に載せた、それまでの人生を振り返る後書きのタイトル「あとがき、あるいは解体工事中」から。素晴らしい言葉選び!これだけで、もう感服。付箋を貼りながら読んだ。
アレサフランクリンの伝記映画「リスペクト」と、デザイナー石岡瑛子について紐解く「石岡瑛子と時代」という本。この2つにめちゃくちゃ刺激された。本はとにかく共感する言葉だらけで、付箋を貼りながら読んだ。

石岡瑛子といえば、私にとっては、フランシスフォードコッポラの映画「ドラキュラ」と、映画「落下の王国」だ。あとはビョークの意味不明だけど引き込まれる「コクーン」MV。出てくる名前が好きなクリエイターばかり。この人とも仕事してたんだ、やっぱり交流あったんだ、仲良かったの?!と興奮しっぱなし。あの時代の日本を作り世界と仕事をした人たち。世界のクリエーションの様子がドキドキするほど伝わってくる。
石岡瑛子の人生の何に私は感動したんだろう。

石岡瑛子の生き方、仕事の仕方、理念に頷くばかり。チームで仕事をする姿勢。自主作品ファインアートは作らず、常にオファーを受けて、クライアントワークで、誰かの力になるために自分の感性と能力をフルスイングで提供するやり方。
1人では何も成し遂げられない。チームでアイデアをぶつけ合って、そのアイデアをどう活かすのか、徹底的に話をする。共同製作者との個と個のぶつかり合いからイメージが膨らんでいく。全ての出会いから自己を確かめて、影響され、触発され、反応する。付箋を貼りながら読みました。恐れ多くも私が好きな仕事のスタイルと通ずる部分が多かったこと。でも私は自分がおかしいのか、自分勝手なのか、改めなければいけないのかと思い始めている所だったので、石岡瑛子もそうだったんだと思ったら、このままその道を石岡瑛子にはなれなくても、その気合いで追求していけばいいのだと背中を押して貰えた気がした。もちろん私はあんなに完璧にやり遂げることは出来ないし、仕事のたびに凹むほど毎回失敗するんだけど。石岡瑛子は多分今の私くらいの年齢で、一度リセットして、海外に渡り、デザイナーとしてではなくクリエイターとしてスタートしたのだと思う。とにかく私も石岡瑛子と同じで仕事が好きだ。仕事=人生って言っても過言ではない。生放送のために他の日は過ごしてる。

そして、同じタイミングで出会った映画「リスペクト」もしかり。アレサランクリンの伝記映画です。アレサの場合は、たまたま声、歌、だったけれど、自分の持っているものが自分を救うんだよ、あなたはあなたのままで大丈夫だよ、と言ってくれる映画だと思います。迷ってる人、諦めようかと思っている人、自信を無くしちゃった人、ぜひ見てください。そして、映画「サマーオブソウル」と合わせて見てみると、時代も音楽もより良く理解出来るし、腑に落ちると思う。

サマーオブソウルをみた帰り道、私の人生は今から始まるんだって思った。私も解体工事中かもしれないです。