うたたねシアター
「嫌われ松子の一生」(2006/06/20 テーマ:リラックス)
「嫌われ松子の一生」の松子は、その思い込みの激しさゆえ全てをあきらめる晩年まできっとある意味張りつめた一生だったのだと思う。リラックスなんてしたことなかっただろうなぁ。笑えるほどの思い詰め具合とかテンパリ具合とか突っ走り具合を見ていると、まるで自分を見ているようで怖くなってきました。松子はもともと学校の先生でした。だけど、修学旅行で事件がおきてクビになり、松子の波瀾万丈の人生が幕をあけるのです。あとはもう全てが悪い方向へと回転し始めます(こういう時ってある!)。最初に松子が同棲したのはクドカン演じる小説家の卵。これがヒドい男で!だけど、彼の才能(ほんとにあるのか?)に惚れ込んでしまっている松子は、言われるがままに風俗に働きに出かけたり、殴られるのに耐えたり...。挙げ句、最後はいつもエッチですわ。これで解決。なんだとー?ハッキリ言ってこんな男最悪。でもなんか分かるわぁ惚れた弱みですよね、なんていう私もいる事実。で、原稿用紙の真ん中に「生まれてきてごめんなさい」と1行残して、線路に飛び込み自殺。この死ぬ瞬間のクドカンの表情がたまらない。雨の中に捨てられた犬みたいで素敵!なんていう私もどうかと思いますが。とっても印象的だったのは極道と同棲中の松子の一言。「殴られたって独りよりマシ」。ガーンでしょ?でももっとガーンなのは、こんな一言にさえ、分かるわ〜なんて思ってる私。残念ながら分かっちゃうんだもの〜。あたし松子みたいになっちゃうかも...。もうひとつの「分かるわ〜」は、超ハッピーラブリ〜♪な時の脳裏に花がパァ〜っと咲く感じ、分かります?それがCGで再現されてて、しかもそういう時のことを私は「オーケストラが鳴る」って呼んでるんだけど、松子はまさに歌を歌いだすのです。そのアホ加減も自分みたいで笑いました。まずいなぁ、あたし。おっと、これが思い込みの始まりだわ!くわばらくわばら、松子になったらアカン!