うたたねシアター

「靴に恋して」(2004/12/20 テーマ:SWEET)

女の人は大変です。シンデレラ願望を持ってない人はいないでしょうから、甘い誘い水にも魅力は感じるけど、それだけじゃ駄目。どうしても守らなきゃいけないものがあるのです。女性というのは、それに気づいた時、履く靴が変わるのかもしれないですね。「靴に恋して」というスペイン映画を見てそんなことを思いました。夫に先立たれタクシードライバーをして一家を支えているスリッパを履く女や、夫に放ったらかしにされ靴依存症になった女など、色々な立場の5人の女性が主人公です。足元を見ればその人が分かるというけれど、この5人の主人公たちの足元も見事にバラバラ。見る人によってどの女性の人生に共感するかは違ってくるでしょう。私の場合...。かつて靴のデザイナーへの夢を抱いていたレイレは自分が働く店から赤いサンダルをこっそり盗んで持って帰る。ある日同棲中の恋人が喧嘩をして部屋を出て行き、その靴のヒールも取れてしまった。折れたヒールは彼女の恋心であり、恋愛に支配されて、いつのまにか夢を諦めてしまっていた彼女への警鐘でもあるでしょう。お次は扁平足の女・アデラ。いわゆる男の人が遊びにくるクラブを経営しているが彼女自身は決して客をとらない。にもかかわらず、ある日来店した外交官の団体のうちの一人が彼女に好意をもち、連日のように会いにくるようになる。客としてではなく彼女に本当に恋をしたというのです。少しずつ打ち解けていき、このまま結婚するのかしらという時、彼女の娘・知的障害を持つ〜スニーカーを履く女〜アニータが行方不明になってしまうのです。母である前に女だというけれど、やはり母なんですよね。そこで甘いアデラの夢物語はおしまい。結論。甘い夢を見ているのはどっちかというと男の方だ。ほんとに男に女を幸せにできるのかー?なんとかしろ−。ばかやろー。