ぶつぶつ日記

我ら、時

小沢健二展覧会「我ら、時」が、いよいよ大阪に巡回してきました。

私は、運良くコンサートのチケット抽選も当たったので、
3月に東京へ見に行ってきました。

ファンなもので、オザケンファンならではの深読みを発揮させつつ、そのお話を。



展示は、オザケンが世界中を旅してフィールドレコーディングしてきた環境音・ノイズ。
人の声、波の音、野鳥のさえずり...
その音、写真、そして言葉の展示。


なぜ今。

そもそもオザケンの歌の世界って憧れのアーバンライフだと思うんです。
今、僕たち私たちの街の毎日。
くだらないことを話したり、女の子から逃げたり、
時々ハッと美しさに気づいたり。
そんなことをしながら生活は続くし続けるしか無い。
でも、ずっと変わらない訳じゃないことも、知ってる。
いつか終わるのも知ってる。
そんな普通の人の、普通の毎日。

90年代も2000年代も3/11以降も一緒。
ただ「いつか終わるのも知ってる」はずだったけど
変わってしまったものを見たり、あいかわらず変わらずそこにあるものを見たり、
そうして、今、感じること、今、分かる事。
東京という街、そして私が住む町、が、
今、奏でる音楽。

今年の春のコンサートは、アコースティックで、小さな編成で、
息づかいが共鳴する会場で行われました。
集まった私たちの発する声や拍手を含めての「東京の街が奏でる」音楽でした。
人の気配がたっぷりの音楽。

かつて聴いて憧れたオザケンの音楽に出てくる景色。
この夜に聴いた同じ景色。涙が出ました。




展示は、色々な国の色々な場所で
脈々と淡々と紡がれ続けている、普通の人の、普通の日々。

なんてことない日も苦しい日も
ただただ繰り返すことの意義、美しさ。
遠く旅したあと、自分の足下に気持ちが辿り着く、そんな展示でした。


繰り返しますが、ファンならではの深読みかもしれません。たぶんそうです。
でも、気になった方は、じっくりと時間をかけて見てほしい展示です。



小沢健二「我ら、時」
展覧会とポップ・アップ・ショップ

6/10(日)まで梅田HEPホールにて。

小沢健二オフィシャルサイト「ひふみよ」