台湾旅記録その1〜アートと言葉
そんな高雄で楽しみだったのが「駁二藝術特区」という地区。海辺の大きな古い倉庫群がリノベーションされて、いろんなお店や劇場、美術館、ライブハウスなんかになっています。さらに広い広い芝生の広場もあったり、ミニ鉄道があって乗れたり。街全体がアートな地区。
そこで漢字がモチーフの展覧会「好漢玩字」に出くわしたんですが、これがめちゃくちゃ面白かった!
チームラボがやってるみたいなインタラクティブな大きな作品から、記号みたいなパーツを合わせて好きな漢字を作ってスタンプを作るものなど、参加型のものもあれば、漢字の意味を感じ取らせるモーショングラフィックや、横にしたら意味が変わる騙し絵的な文字のアートなど。
特に私がグッときたのは。
まずこのグラス。手前と真裏にそれぞれ印刷されたパーツが、正面から見たら重なって、ひとつの漢字になる。単純なんだけど、漢字ひと文字っていうのが、たまらんなと。展示では、このグラスを使った映像が白い壁にドカンと投影されていて、カッコいいったら。このグラス欲しかった。売ってなかったけど。(インスタに動画をあげてます)
あと、環境について表現する学生が多いと噂にきいていたのですが、有りました。学生ではないかもしれないですが「無聲告白」という2枚組のポスター展示。フォントのデザインで地域の環境問題を語るもの。これが言葉があまりなくてもわかりやすくて、ポスターの役割ってこういうことよね、と合点がいきました。鉄の水道管(?)で描かれた「台北」という文字が、酸性雨のことを伝えるために1枚は錆びている・・・とか。
日本にいると、雰囲気だけで全然伝わらないポスターや中吊り広告をよく見かけるので、届けたい人にちゃんと伝わるものをデザイン頑張って欲しいなぁと本気で思いました。
この展覧会、具体的な手法はそれぞれだけど、言葉が分からなくても、言いたいことがちゃんと伝わって来る。安易すぎず、難しすぎず、さすがでした。全部、展示の仕方もとても上手。いけてました。
展示を見ていて頭に浮かんだのは、おみくじ。
おみくじって、私はすごく面白いと思うんで、自分の展示でも販売したんだけど、与えられる言葉はちょっとしたヒントで、そこから自分の頭の中を旅して、言葉が身体中を巡ったのち、感じること気づくこと、その体験がアートであり、おみくじの醍醐味だと思う。書いてある言葉はヒントでしかない。
この漢字の展示は、全部そんな感じ。
そして、もうひとつは台北での出会い。
台北のレトロ印刷JAMでZINEフェアをやっていて、大盛況!!(ホントのホントに大盛況。ちょっと遠慮しちゃうくらい大混雑!)
あるイラストレーターの女の子が売っていたのは「my zine」。あなただけのZINEを作りましょうというもの。「一期一絵」だって。具体的にいうと、彼女の前に座ると置いてある英中辞書のなかからランダムに1ページ選んで破って下さいと言われます。さらに。そのページに書いてある好きな言葉に蛍光ペンで印をつけます。それがZINEの1ページ目。次のページは、彼女が描いてくれる似顔絵。出ました似顔絵。台湾でも人気なのかな、作家さんによる似顔絵。最後のページは透明の袋。中には自分の持ち物から何か&彼女が用意した短冊から引く1枚。短冊には意味深長なセンテンスが書かれています。それと、高雄から台北への新幹線の半券と、ずっとまえ登山に行って拾ってスマホケースに入れたまま忘れてた紅葉を封入した。
これもこれで、おみくじやないか!たまらん。おみくじ。好き。
レトロ印刷JAMが台北なのに大阪と同じ雰囲気で、とても嬉しいし面白かった。
台北っ子も「マジカル」にびっくり!
印刷方法やシルクにも興味津々。
そういえば、偶然digmeの作家さん、鬼頭祈さんも出展されていてビックリ!
JAMさんに感謝状たくさん。台湾で学校にシルクスクリーンの授業に行ったりしてるんだって。
こちらは、高雄の漢字の展覧会でもらったポスター。カッコいい。