うたたねシアター

「マイ・ブルーベリー・ナイツ」(2008/02/20 テーマ:BITTER)

ビターがテーマの今号にぴったりな映画を見ました。ノラジョーンズ初出演/ウォン・カーウァイ監督「マイ・ブルーベリー・ナイツ」。これだけで既にキャッチーすぎる!ウォン・カーウァイといえば私はどの作品より「恋する惑星」です。恋する惑星ではパイナップルの缶詰がシンボリックなアイテムとして出てきたわけですが、今回は「ブルーベリーパイ」。失恋したノラジョーンズをジュードロウのカフェのブルーベリーパイが(っていうか、パイとジュードロウが)癒してくれるわけです。わかりやすいっしょ?「恋する惑星」よりも、どこにでもある話でハマります。分かるんですよね〜。あの落ち込んだときの甘いブルーベリーパイの味。パイの生地のところに溶けたバニラアイスが沁みてて、気持ちもじんわりしちゃう。だけどさ、ブルーベリーパイは落ち込んでる時しか要らないんですよね。だからいつも売れ残っちゃう。なのに毎日焼き続けるジュードロウ。「なぜブルーベリーパイはいつも売れ残るの?」と聴くノラジョーンズにジュードロウは「ブルーベリーパイは何も悪くない、ただ選ばれないだけなんだ」。っくうぅうう!泣ける・・・ええこと言うやん!だけどさ・・・ただ選ばれなかった私、じゃぁどうしたらいいの?どうして選ばれないの?ううっっっっぅ。分かった、私が残らず食べてやる!・・・ですよね?しかしカフェのマスターってこうじゃなきゃね〜。ええこと言うて慰めてくれなきゃ。ちなみにジュードロウは実際にカフェを経営してるらしいよ。私は彼はタイプじゃないけど、っていうか、店に立つ事はないんだろうけど、妄想が膨らみますわね?みなさま?もちろんノラジョーンズが映画の為に書き下ろした曲が流れるわけですが、さすがウォン・カーウァイ監督は、音楽の使い方が最高に上手い!映画のドあたまにウッドベースの音が聴こえた瞬間、さっそく私は掴まれました。苦い失恋に聴くおとぎ話のような映画です。