戒め
ピアノ、ベース、ドラム。トリオ。
小谷さんの歌は
容赦なく降り掛かってくる、土砂降りの雨みたいな力がある。
生で触れるといつも、立ち尽くしてしまう。
そしてダムが崩壊したかのように、涙が次から次へと流れ出る。
そのたびに、わたしは、涙タンクの容量がオーバーしただけなのだと思う。
わたしはきっと泣きたかったのに、それを我慢してきて、容量がいっぱいになったのだ、と。
ただ単にそれだけのことで、今わたしが流している涙に特別な意味はないのだ、と。
過去のいつかに(昨日かもしれないし先週かもしれないし先月かもしれないけど)、
流すべきタイミングがあったのに、その時、我慢したのだ。
だから、今は意味がない涙だ。
どちらかというと、「よくよくアノ時は我慢したね、えらい!」と褒めてもらうべき涙だ。
最近、私の周りの人は、「優しさ」を標準装備として備えている人が多いと、改めて気づいた。
優しいとか頼りになるとか、そういうのって、当たり前のことだと思っていた。
それは、たまたまそういうものを装備している人が多いだけで、
世間一般的に、人として当然の標準装備なのではない。らしい。
綺麗な水をいつでも飲めるのが当然かといえば、そうでもないらしい、のと同じだ。
私は井の中の蛙だった。平和ボケ。
なんて有り難い事なのだろう。
あらためて、周りの人たちに感謝をしなくてはならない。
それから、「私なら当然こうする」は私にしか通用しないのだな。
あらためて。
だから自分がこうだからと言って、誰かさんも同じように感じたり動いたりするわけじゃない。
あたりまえなんだけど、ものさしが時々乱暴になるのだ。
いまいちど、自分に言い聞かせたい。
昔々、それが原因(と言われた)で集団いじめにあったことがある。
おーそーろーしーやー。悪夢のよう。だけど夢じゃない。現実。過去の物語ですがね。
宵の口、自転車に乗ってると、くちなしの香りが鼻先をくすぐる。
たまらなく切ない。
そんな最近です。