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doi20th注染手ぬぐい1


いつか作りたかった、オリジナルの注染手ぬぐい。憧れでした。
もう20年ほど、私は毎日、ハンカチ代わりに日本手ぬぐいを使っています。中でも「注染」という大阪の伝統の染め方をしているものが、特にお気に入りです。注染については、ラジオでも土井印やコマキ手帖のコーナーでお話をしたことがありますし、ここ数年はずいぶん知っている人が増えた印象です。

なぜ注染手ぬぐいが好きなのか。まず性能。染料で生地の目が詰まらないので、乾きやすいんですよね。先日、生放送前に洗って干しておいたら、1時間もせずに乾いてました。なので旅やアウトドアにも便利です。あっという間に乾くから色々気にせず使える。そしてデザイン面は、まさに今回お世話になった「にじゆら」さんがブランド名の由来として掲げていらっしゃる「にじんだり ゆらいだり」が素敵なんですよね。隣の色と混じるところがまた素敵。機械では生み出せない、職人さんが経験からの勘・感覚で染めることで生まれる色味。今回は、わざと、にじみを綺麗に出してもらうことにしました。職人さんの「さじ加減」ひとつでデザインがバシッと決まっていくので、彼らは職人でありアーティストだと思います。リスペクトの気持ちを込めて、帯に職人さんのお名前を印刷してもらいました。

まず、サラシに型紙を載せ、染まらないで欲しいところに、糊を置きます。長い長いサラシを1枚ずつ折り返しては糊を置く作業を繰り返します。






















次に染料が混じらないように、糊で土手を作ります。これすごいです。デザイン図を見て、その通りになるように勘で土手を作るんですけど、私は「ええ感じの滲みください!」と言うオーダーをしたので、くっきり分けるんじゃなく「ええ感じ」に滲むように土手を作ってくれたんだと思います。そして、それぞれの土手の中に染料を注いで染めます。この時、下から染料を吸い取ってしまうので生地の目が詰まりません。この時の染料の量や、下から吸うタイミングなどでも、染まり方は変わってくるそうです。ここでも勘!










裏面からも同じように土手を作って染料を注いでいきます。それから洗って乾かします。高い天井から干しているのって、圧巻です。乾いてから切るんで、まだ長いんですよね。

















いかがでしょうか?注染手ぬぐいって、めちゃくちゃ手間がかかっているんです。しかも、私の手ぬぐいは、これらの作業の前に、実は、白いサラシを薄い青緑に染めてもらいました。曖昧でややこしいお願いもして、何度もやり取りを繰り返してイメージを擦り合わせて、デザインを決めていきました。さすがとしか言いようのないものが出来上がりました。感謝しかないです。

短い動画を私の IG @doikomaki にアップしたので、見てみてください。また、注染について詳しくは、にじゆらwebのココとかココとかに載っています。ぜひ。

長くなってきたので、デザインのお話は次の投稿へ続きます。