ぶつぶつ日記

もしもしの威力たるや!「思いを伝えるということ 展」


20121020.jpg


とても良い展示を見に行きました。
京都のフォイルギャラリーで、開催中の、大宮エリー「思いを伝えるということ 展」です。


エリーさんの文章に誘われて、進むのですが、
たとえば、「よろこび」「いかり」など感情の名札のついた中身が見えない箱に手を入れたり、
「心細い平均台」と名付けられた平均台を渡ってみたり。

私が我慢が出来なくなって泣いてしまったのは
「受話器に耳をあててください」と書かれた電話ボックス。
受話器からは、誰かの色んな「もしもし?」が聞こえます。
その暖かさと言ったら!
誰かが私の話を聴こうとしてくれている、その暖かさ。
もしもしの威力たるや...!
私は、本当にコミュニケーションが不足しているのだと思い知りました。
私はこんなに寂しいのか。

分かっていたけど、この不安、悲しみ、苛立ちは、
全てコミュニケーション不足による寂しさから生まれるのだと、ハッキリわかりました。
だけど、コミュニケーションは、私だけではなく、相手も思ってくれないと成立しません。
話したり、触れたり、そうしたいと思ってもらえる私でなければ、
どんなに私が求めたって、それは、もはや暴力と同じでしょう。



複雑骨折してしまったので、
私はこの展示を見たからといって、どんなふうに自分の思いを伝えたらいいのか、
もうすでに分からなくなっています。
こんな展示を見に行ってきたよと、感動を伝えることさえ、
「興味ない」のひと言で、粗末に扱われるのが怖くて話せません。







まぁ、そもそも「思いを伝えるということ 展」というタイトルの展示を見にいこうと思う人は、
たいがい心の中に何かしらの伝えられずにいる思いを抱いている人だと思います。
大宮エリーさんのインスタレーション〜言葉とちょっとした仕掛けで突つかれた心から、
ぽろりぽろりと思いが溢れ出ると思います。

思いを伝えるということは、誰かを思いやっているということで、すてきなことです。
そして時には自分のことも思いやるということ、自己犠牲にならないように。
背中を押してもらえると思います。

あと少しですが、行ってみてください。いいと思います。