ぶつぶつ日記

カンバラクニエ×竹笹堂「いまうきよえ」展 @DMOARTS

クニエちゃん、ここ何年か竹笹堂さんで木版画を勉強していたのだそう。
そしてこれは簡単に出来るモノではない、自分には無理だと諦めて、
プロの職人さんと一緒に作品を作ろうと考えを転換したのだとか。

それだけに、伝統的な浮世絵の美人画の構図に習ったり、
逆に伝統的な浮世絵ではあまり使われているイメージの無いグラデーションを多用したり、
今のクニエちゃんが作る「浮世絵」=「今の風俗を描く風俗画」にちゃんとなっていて素敵です。
春画って、髪の毛の繊細さや、身体のなめらかなライン、うなじの美しさが際立っているそうで、
それは当時の女性的魅力はそこにポイントがあったからだろうと。
で、今回クニエちゃんは、髪の毛のことよりも、まつ毛にこだわったそうです。
いまの女子はみな「まつ毛」命ですもんね。
そのあたりも「いまうきよえ」ですよね。おもしろい!
(もちろんクニエちゃんのは春画ではないですが!)


そもそもクニエちゃんの絵は、
手描きのものをPCに取り込んで色をつけ、プリントアウトされているのですが、
そのプリントアウトされたものが、彫師さんと摺師さんの手を介してアナログに戻ることで、
描かれた女の子達に、もう一度人間らしい温度が宿る感じがしますね。それはそれは素敵です!

クニエちゃんが、まるでいじわるをするかのように
何枚も何枚も重ねて刷らないといけないような色をつけていたり、
また少ない色数で表現するのが優れた浮世絵であるということに習って、
普段より色数を少なくしつつクニエちゃんらしさを出すよう挑戦したり、
確かな知識、技術、アイデアのある人同士が、本気で楽しんでトライしてるんですよね。

かっこいいコラボレーションですよね!
すごい刺激もらいました。ちょっと凹むほど。



にしても、原画の色を忠実に再現する竹笹堂の職人さん、すごいです!!!!
そしてクニエちゃんは、とても頭がいい!!!



20111105.jpg


カンバラクニエ×竹笹堂「いまうきよえ」展
2011年11月2日(水)--15(火)@大阪伊勢丹DMO ARTS


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絵師がいて、彫師がいて、摺師がいて浮かび上がる世界、浮世絵木版。
それはその昔の日本では、みんなの手に届く身近なアートで、
世界を驚かせた日本の技術でした。
絵師、彫師、摺師でそれぞれ黙々と数珠つなぎに今やれる事をやってみました。
私はその昔よりうんと自由に活きる今の女性を思いながら描きました。
どうぞたくさんの人の手に届く浮世絵となりますように。

<カンバラクニエ>
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京都在住の人気イラストレーター・カンバラクニエが120年にわたり木版技術を継承する「竹中木版 竹笹堂」とコラボレーション。その記念すべき初めての展覧会をDMO ARTSで開催。カンバラクニエが木版画のために描き下ろした作品を浮世絵や京版画の技術によって完成させました。その独特の風合いと世界観をぜひお楽しみください。

※作品は先行予約販売いたします(各300枚限定・シートのみ31,500円)
※カンバラクニエの代表作品をジークレープリント化した「My First ART」シリーズ(税込み9,800円)やグンゼBODY WILDとのコラボレーションパンツも販売します。

カンバラクニエ http://www.kuniekai.com/
京都生まれ。1999年、FM802のビジュアルに採用されて以来、イラストレーターとしての活動を開始。同局ではロゴマーク、ポスターなどを制作。その後書籍の装丁、CDジャケットのアートワーク、コラボレートライブ、雑誌連載、大手百貨店、家電、化粧品、アパレル広告、アパレルや呉服メーカーでのブランド・デザイナーとしても活動する等、ファッション、音楽、広告のフィールドでイラストをベースに多方面で活躍。

竹中木版 竹笹堂 http://www.takezasa.co.jp/
明治24年創業の老舗。伝統的な作品を展開するほかブックカバーなどのオリジナル木版雑貨を制作販売。ヤン・シュヴァンクマイエルの作品を手掛けたことでも注目を集める。国内外の美術館においてデモンストレーションなども意欲的に取り組んでおり、今回のカンバラクニエ木版画プロジェクトは喜多川歌麿や竹久夢二に続き、後世にいつまでも愛されるような美人画制作を行う。