取捨選択
必要なものだと思うものが溢れかえっていた金曜。
むしろ必要なものしかなかった金曜だった。
さて、ずっと心を砕いてきたあれは、不必要なものなんだろうか。
手放すのが寂しいし悔しいし。怖いし悲しい。
でもきっと、私がためらっているのは、
我慢して我慢して我慢してきた自分を無駄にしたくないからだ。
意地になっているのかもしれない。
頭では分かっている。それが無意味になるわけじゃないんだってこと。
ちゃんと足跡も傷跡も残る。
今、取捨選択の時が来ているのは、きっと間違ってない。
そして、私が私の人生を、私の気持ちよいように生きることで、
みんなが持っているのを同じ幸せな人生を、
きっと私だって手にすることができる。間違いない。
あの満月の夜を機に、なぜか信じられるようになった。
自分の歩いて来た道と、現在位置。そしてこれからの在り方。
いろんなことにぐるりと、ぼんやりと、考えを巡らせて自転車をこぐ。
ゆるやかに長い坂を登り切ったら、正面の空がレモン色だった。
明日が今日になろうとしていた。