うたたねシアター

「ホノカアボーイ」(2009/04/20 テーマ:friend)

なんだか色んなことのタイミングが合わなくて、ちょっと凹んでいたある日、ひとりで「ホノカアボーイ」を見に行きました。とてもよかった。大げさじゃない手触りがすごくよかった。たぶん私はハワイに行く事なんて絶対ないし、行ってみようかなぁとは思わなかったけど、手招きする感じでもないところが、また良かった。
主人公・日本の大学生レオは、休学してハワイのホノカアに滞在しています。そこは、豪華じゃないけどおいしい食べ物と、それをおいしく食べる人と、人それぞれのテンポがあっても、まるまる全部を受け止め合える人間関係があります。この登場人物たちのリズムが心地よく混じる様子を、音楽で表現しているシーンが素敵ですよ。そして「かもめ食堂」「めがね」並に、おいしそうなごはんがたくさん出てきます。こちらの料理は高山なおみさんらしい。ふむふむ。日系移民の町ということで、日本食がベースで、ちょっとハワイ調。食べる前に儀式のように、レオは必ずポラロイドで撮影するのだけど、これが淡い色調で美味しそうな写真達!しかもみんな美味しそうに食べる。レオもいいけど、松坂慶子演じるエデリが、食いしんぼうぶりが可愛らしい!おいしそうに食べるひとって、やっぱり見ていて気持ちいいです。そんな人になりたいし(じゅうぶんだ、と言われたことがあるけど・笑)、そういう人が隣にいてくれたらいいのに。だって、美味しそうに食べているのを見てるだけで、なんだか元気出ませんか?
偶然、最終電車に乗り遅れて久しぶりに我が家に泊まりにきた友達と、トーストを食べながら、この映画のこと、思い出しました。わたしのテンポを、わたしのリズムを、水が流れ出るのと同じように受け止めてくれる、そういう町に住みたいなぁ。かといって、ホノカアに行きたいわけでは全くない。ホノカアが手招きしているとも、思わない。自分にとってのホノカアはきっとここにある。うん、いい映画をみた