うたたねシアター

「クワイエットルームにようこそ」(2007/11/20 テーマ:STRANGE)

松尾スズキ監督「クワイエットルームにようこそ」見た?見た。泣いた?泣いた。すごい良い映画でした。私は大人計画が好きなんだけど、この映画はThat's〜ドイの好きな〜大人計画だったなぁ。皮肉ぶりと真面目ぶり、その混ざり具合が素晴らしかった。なんかね、大人計画ってテーマの核心をついてると思うんですよね。で、その提示の仕方が独特のユーモアがあって辛気(しんき)臭くない。今回の映画は、閉鎖病棟に入院している人達が題材なんだけど、軽い打ち出し方も含めて、ものすごく当事者な感じがしました。だから泣けたのかも。
さてさて。どの患者さんの症状も、その種は私の中にあると思いましたね。みんな持ってるんじゃないかな。特に拒食症の蒼井優が食べない理由を告白するシーンがゾクッとした。それ、同感。だからって「いつあなたもこうなるか分からないんですよ」とか「もがいてるのは前向きな証拠」とか「あぁ人間って愛おしいな」とか、そんな事あたしは言えません。言いたくないですね。乱暴な言い方をさせてもらうと、そんなこと言える人はきっと他人事なんだ思うな。どーせ自分には関係ないと思ってるでしょ?闇を持ってない人だ。うらやましい。いや、うらやましくなんかないわ。可哀そう。あれ?なんだか今月はおかしいぞ。映画の紹介になってる?いや、それだけ、なんかこう、なんていうのかな、この映画の完成度が素晴らしいと思ったのに、なんで世の中の大多数のひとは、そんな感想になるんだろーおいおい、、、的な苛立ちを感じちゃったってことです。最後に出てくるメールアドレスがまた冗談きついけど冗談じゃなくって良いわぁ。わかるわかる、その感じ。この松尾さんのニュアンスを具現化した俳優さんたちもすごい!最後に、主人公が追い込まれる原因のひとつであるコラムの文字数が、このコラムと一緒だったのでドーキーッでした。彼女のめんどくさい思考回路も似てるし。やべー。