うたたねシアター

「アタゴオルは猫の森」(2006/10/20 テーマ:ロマンティック)

30年間も連載されているコミックの初の映画化。それだけの年月をかけてたくさんの人の心の中で熟成された熱い想いを満たす作品にしなければ...なわけで、それは大変なことです。そんなプロジェクトX並みのロマン溢れる3D-CGアニメが「アタゴオルは猫の森」です。アタゴオルでは、人間と猫が仲良く暮らしています。どこにでもトラブルメイカーというのは居るもので、アタゴオルのトラブルの種はヒデヨシというデブ猫。このエピソードではヒデヨシは食欲に負けて、植物の女王ピレアの封印をといてしまいます。このピレア、すんごい優雅で美しくて歌がうまい!人も猫もうっとり、超ロマンティック。でも実は世界を支配することをたくらんでいるのです!さぁどうなる?...というお話。まぁヒデヨシくんの憎めないこと!要するにアホなんですけど、それだけに、みんなが忘れてしまっている大切なことや固定概念を覆すことを言うんです。しかも無意識に。ただみんなに迷惑かけてるのにも気付いてないだろうけど(笑)。最近には珍しくテーマがとてもストレートなので、たくさんの子供に見てもらいたい。もちろん大人にも見て欲しいです。というのが、実は倒される立場にあるピレアでさえ、言っていることに悪気がないんです。全ての生き物を植物にしようとするんですけど、それは植物のほうが悩みも苦しみもなく心穏やかに生きてゆけるから、なんですよね。だけど、苦しみがあるからこそ「生きている」実感があるのかもしれないし...。全方向から見て正しいことなんて無いのかもしれない。ほら、深いでしょう?だからこそ30年も愛され続けているのでしょうね。ちなみにアタゴオルファンだという石井竜也さんが本人の役で出てきます!そのライブシーンでエキストラが必要だってので、なんとあたくし、初めてアフレコに挑戦させてもらいました。黄衣猫ちゃんという村猫の役です。分かる人は聞き耳たてて映画見てみてね。