うたたねシアター

「花とアリス」(2004/04/20 テーマ:Colorful)

3/13公開になった岩井俊二監督作品「花とアリス」、もう見ました?驚いたことに、見終わった後の道すがら、目に飛び込んでくるものが全ていつもより色鮮やかに感じられたんです。屋根の赤、看板の緑、自転車の青、ひとつひとつ確認しながら帰りました。今まで実は本当の色を見れてなかったのかも。目が醒めたようでした。これ、岩井マジックでしょうか?主人公は2人の女の子「花」と「アリス」。ちょっと不思議君な「宮本先輩」をめぐる、嘘から出た真とはよく言ったものだなぁという初恋ストーリーです。また恋だけじゃなくて、アリスとお父さんのエピソードも絡んでくるんですが、思春期に両親が離婚した私にとってグッとくるシーンがいっぱいありました。ヒドイ扱いをしたりもするんですが、基本的にやっぱり父親の子供なんですよね。自分でも分かっているんですよね。でも背伸びしたいんです。わかるなぁ。うまいなぁ。バックに流れるピアノの音色も優しく懐かしく肌に馴染む毛布のようです。音と映像が、柔らかく寄り添っているのです。もちろん映像も素敵です。やはり岩井監督の撮る女学生というのは、非常に瑞々しくて美しく、愛らしくて切ないです。駅のホームでの花とアリス、電車内での花とアリス、桜並木をはしゃぎながら駆ける花とアリス...。キラキラして眩しいです。それからバレエを踊っているシーンがたくさん出てくるんですが、これがたまりません!暗闇でカメラのフラッシュに照らされて浮かび上がる白いクラシック・チュチュとトゥシューズを着た少女達。そのレースとサテン地のキラキラさらさら感、たまりませんねぇ。女学生よ、どうぞこの映画を見て下さい。そして気付いて欲しいです。目、肌、髪、唇、爪の透明感...。そう、お化粧しなくても、いやむしろ、しない方がキレイなんですよ。しかもその色鮮やかな時期は短い。大切に過ごして下さい。おばさんからのお願いでした。