ぶつぶつ日記

この日々のスケッチ、その1

先日の「カクバリズムの家祭り」「トノフォンリモートフェスティバル」が楽しすぎて、近頃とにかく配信ライブをめちゃくちゃ見てる。私としては有料ライブの方が、気持ちよく見れます。アーティストがライブハウスの代わりにネットという場所で表現するものに、すごく興味がある。もう6月も終わろうとしていて、配信ライブもめちゃくちゃ進化してきて、面白い。

・・・・・・と6/29に書き始めて、途中で終わっていた「この日々のスケッチ」を、やっぱり走り書きでもいいから、この1ヶ月のことを書き足して公開しようと思った。この先いつか、私かあなたか誰かのために、メモ程度のものでも書き残すのは、意味がある気がする。

なので、雑になってしまうけど、今後、もっとさき、コロナのことを忘れてしまった未来のいつかに、自分の記憶を引っ張り出すためのヒントのつもりで、書き留めます。


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ステイホーム期間の割と早い時期に、LUCKY TAPESの海くんが、ひっそりと一人でやったライブ配信も、面白かったなぁ。いろんな楽器を演奏しては重ねていくスタイルで、映像も、海くんが演奏している絵に、イラストとか(?)が重ねられて、絵本を読んでいるみたいな時間だった。ロマンティックだったなぁ。生だったのか録画だったのかはよく分からないけど、そこはそんなに問題じゃないなと思った。
(↓後日、このライブの様子はYouTubeで公開、音源もリリースされました)


いろんな人が、自宅からインスタライブで姿を見せて声を聞かせてくれることが、この頃の私は希望の源みたいになってた。もしかしたら、発信していたアーティストもみんな同じように一人でいて、不安を感じていたのかな。アーティストも一人じゃないのを確かめたくて、私たちと繋がってくれたのかもしれない。
そんな中、「一人で家から」じゃなくて、ライブハウスなどから配信するライブも始まった。東京は、割と早くからメンバー集まっての無観客ライブを始めてた印象。(大阪もやっていたのかもしれないけど、私は認識できてませんでした。)それまで私の感覚では、移動したり、集まったりすること自体が危ないような気がしていたのでびっくりしたのを覚えてる。あの頃、私は私の番組のために、アーティストが移動するのが嫌だなと思ってた。自分のせいで大切な仲間と思っているアーティストに危険を冒してもらうのが、嫌だった。(そもそも石橋を叩いて渡る性格なので。)その反面、東京のライブハウスやスタジオやカフェにバンドメンバーが集まって、無観客ライブを配信してくれるのを観ては、嬉しそうな表情にホッとしたし嬉しくなった。自分の心の中で矛盾も感じながら、でもやっぱり私は出来ないし、遠くの人を止めるのも違うと思ってた。

初恋の嵐も、東京のライブハウスのフロアにセッティングして、ライブ配信をしてた。いつも通りのダラダラゆるゆるMCも含めて、いつも通りをやろうって言う気合を感じました。

ケイシくんは、中止になったワンマンツアーの代わりに、バンドセットのライブを配信して、ツアー日程に合わせてインスタライブでトーク配信も。ケイシくんはインディスピリットの人というか、こういうとこ、やっぱりriddim saunterだよなと思う。やることにカルチャーを感じる。noteで音源とpdfのセットをリリースしたのもナイスだった。買った人がプリントアウトしてzineにしたりポスターにしたり、手を動かして何かを作ることで完成するから、音源だけど、一緒に作ってると言う点ではライブみたいだなと思った。

go!go!vanillasの東京タワーの下からのライブは、久しぶりに「ライブをみてる!」っていう体が熱くなる感じがした。それまで私が観ていた配信ライブは、一人だったり、円形にバンドがセッティングを組んだり、だったんだけど、バニラズは普通のライブみたいにコッチを向く形で組んでいて、最前列で観てる感じだった。お客さんがいないっていうことを意識せずにやり切ってくれる、4人のいつも通りのステージングもあって、久しぶりの感覚を味わえた。もちろん、夜空に浮かぶライトアップされた東京タワーを背後に見上げる感じは、ドラマチック!いい場所見つけたね〜。似合う〜!って単純にときめいたな。

そもそも一人で自宅で制作するスタイルの人たちは止まらないし、瞬発力がすごい。origamiPRODUCTIONSの人たちの存在が心強かった。『1枚の紙でなんでもできるオリガミのように、楽器1つでどんな音でも奏でることができるミュージシャンが集うクリエイターチーム』は、きっと各自が本当の意味で自立しているから、何かあったときに束ねられた力がすごいし、速い。音楽は単純に音だけじゃなくて、どんな事にどんな風に考えて向き合っているかが全部現れるのではないかと、改めて思った。「origami Home Sessions」カッコ良かった。心底痺れた。できることをできる人がすれば良くて、今できることがある自分たちの力を誰かのために役立てようって、本気で思ったんだな。kansanoさんが、晴れたら空に豆まいてというライブハウスから、グランドピアノでのライブを配信した。グランドピアノの上にキーボードを置いて2台使うんだけど、そのスタイルにもびっくりしたけど、めちゃくちゃいい演奏で、強いな〜って感動した。配信のソロライブでカメラ越しにシンガロングを求めてくるハートの強さというか、リラックスしてる感じにも驚いた。そしてグランドピアノって配信してもやっぱり響き方がアップライトとは違う気がした。そして。。。
そして、この辺りから、いろんなライブ配信でのプラットフォーム側のトラブルが起き始めて、それに対する世の中の声が短絡的になったり、SNS世界のしんどい部分が現れ出したように思います。一緒に開発している段階なのだと思う人と、有料なのにと怒る人。どちらも間違ってはないんだけど、そこにまたorigamiでした。先述のkansanoさんのライブで配信ミスが起きたんですよね。私も観ていたので、よく覚えています。その時の、origamiPRODUCTIONSの考え方と発言に、また救われた。この人たちは、本当に自立していて、自分たちの考え方が安定してる。だから何かおきた時に、相手に気持ちがまっすぐ届いてお礼まで言われてしまう。ほんとに見習いたい。でも多分私は一生かかってもこんな安定感は持てない。だからそういうパートナーが欲しい。そういう人とチームになりたい。できる人ができることをやる。私は私のできることを精一杯やる。

まさかのフィッシュマンズのライブを家で見れる時代がきた。なんていう時代なんだ!DOMMUNEで実施される「INVISIBILITY」と名前のついたフィッシュマンズのライブ。ARを使った演出があるという。並ぶ単語に妄想が拡張しまくって、大興奮で待機した。フィッシュマンズのライブを見ている時、音の波が見える気がすることがあって、もしかしたら、そういう見えないものをARで可視化してくれるのかなって想像した。もう時間も経ったし、率直な私の感想を書くと、、、全然違った。私がフィッシュマンズに感じていないサイバー感とかコスモ感が溢れていて、趣味が合わなかった。それはさておき、フィッシュマンズの音楽は足すものが何もないんだなと再確認。すでに全てを備えている。それを自由に感じとることを求められていて、委ねられている。想像力を使うのが気持ち良いのだ。しかし、ほんと、今まさにフィッシュマンズが奏でている音を、家にいながらにして、体験できていることに、めちゃくちゃ感激でした。素晴らしい時間だった。フィッシュマンズに出会えて良かった。


フィッシュマンズの配信ライブを見て、皮膚があの低音を欲してることにも気づいた。私たちは音を皮膚でも感じてるんだな。やっぱり、生演奏を超えるものはない。だからこそ、別物としての工夫も始まった。

いろんなお店やブランドや会社がIGアカウントが定期的に発信を始めた。商品紹介やオンライン体験レッスンに始まり、ミュージシャンのライブを配信するアカウントも増えた。いろんな理由があるんだろうけど、そのラインナップで自分たちの属性を表現してるってことなのかな。いっぱい見たけど、STUTSがGinzaSonyParkのアカウントで、家からインスタライブしてたのが、楽しかった。MPCってやっぱり手元が見えると嬉しい。普段あんまり見えないから。配信ライブって、手元が見えるのがどんな楽器の場合も分かりやすく楽しいとこ。しかもこの時、STUTSくん歌まで歌ってびっくり!新しい挑戦なんだとか。続き見たいし、ちゃんと音源で聞きたいやん!期待を残してくれる配信でした。また802のスタジオにも来て欲しいです。えらい前だけどMGでのスタジオライブすごい楽しかった記憶が。小さいMPCひとつで、こんなに体が動かされるのかって。指先から生まれるビートが魔法みたいなんよね。

OKAMOTO’Sは、どこなの?っていうビルの屋上から。初めて聞く名前の配信プラットフォームを使ってた。遥か上空からのショットもあったりして、なんかテレビの音楽番組に外部から中継してるっぽいなと思った。ギラギラしたテレビショーみたいで面白かった。おふざけもあり、終わってすぐトークもあり、こんなのOKAMOTO’Sしか出せない味、出来ない技だと思った。ていうか元気な姿が見れてホッとしたよね。

何組か出演するイベントもいくつも見た。「カクバリズムの家祭り」「トノフォンオンラインフェスティバル」「BLOCK FESTIVAL」のような大規模なものじゃなくて、ライブハウスやクラブで日常的に開催されてきた感じのやつ。イベントを組む人のフィルターが大事なやつ。もちろんアーティスト主導も。

空音×Rin音×kojikojiをアメ村のCIRCUS OSAKAから配信とか、久しぶりの街遊びの気配を思い出せたし(空音くんが「CIRCUS」を最後にやるという粋な計らい。美しい曲よなぁ。)、SIRUP×CIRRRCLE×ChocoholicのDJという、ほんとにイベントに行ってる気分で楽しめる配信もあった。初めて見れたCIRRRCLEのフラットで風通しのいい感じが良くて、嬉しくなった。それもまたイベントならではで、配信でも私チャッカリいつも通りだわ!
AAAMYYY×Black Boboiは、難しい技術は使っていないけどムードをガッチリ作っていて、画面に釘付けになった。自分の集中力で画面の向こうに一緒にいるような感覚になった。

手前味噌ですが、FM802弾き語り部も、細い路地にある小さいライブハウスに集まってきてるみたいな「密」なムードがしっかりあったと思いませんか?あれ不思議だったなぁ。

録画したものを配信するのも、録画ならではの作り込みがあって、面白い。この期間、あちこちの企画に呼ばれたり、自宅からインスタライブをしたり、めちゃくちゃ触れる機会が多かった(ように思う)TENDREは、360°ライブ。メンバーにぐるっと囲まれて楽しむライブ。面白かった!(ミッドナイトガレージに弾き語りを録音して送ってくれたりもした。あれ、ほんと神々しい演奏でしたよね。救われた〜)

そう、そしていよいよスペシャが、動き出した。ついに。LIVEWIRE。スペシャのカメラワークはやっぱり素晴らしくて。いつも思うんだけど、曲を知ってるから、ライブの痺れるポイントを知っているから、やっぱりライブ映像が良いんですよね。そんなスペシャがついに。杮落としはカネコアヤノ。その人選もまた!そして、アーティストと場所の組み合わせも、考えられてる。配信だから見れる、アーティストゆかりのスタジオやライブハウスなど特別な場所。ファンとしては嬉しいじゃないですか。

くるりは京都磔磔から。ただでさえ嬉しい組み合わせなんだけど。ゆるゆる喋ってしまって、21:00完全音ドメっていう磔磔ルールが迫ってきて1曲カット。ラストソングの「everybody feels the same」に心震わせていたら、時間ギリギリ!ドラムのboboさんがBPMを上げてくれたおかげ〜で笑うとか!笑いながら、会場後方の細い階段を上がって行って終了とか!提灯とか!磔磔に行ったことがある人にとっては、これコレ〜っていうポイントがちゃんと体感できて、すっごい久々で嬉しかった。生だからこその奇跡も含めて、臨場感あふれる配信でした。

この感じで、全国の有名ライブハウスでの配信をやってくれたら、嬉しいかもって思う。行ってみたい憧れの遠方のハコ。ツアースケジュールなんかでよく見る名前。そのひとつだと思うのが日比谷野外音楽堂。聖地ですよね。私あいみょんは見れなかったんだけど、ceroを見れました。録画ならではの仕掛けがあった。Outdoorsなので、途中ceroの3人がステージから降りて無観客の客席を通り抜けて(その姿もなんか静かに圧巻だった)、一番後ろに設置されてるテントに入ったらその先に・・・なんと河原!これがすごく良かった。すごく変な感じがしてドラマチックだった。全ての演奏ももちろん最高だったし。映像美しかったし。

「配信だからこそ」「録画だからこそ」を見せてくれたといえば、YOGEE NEW WAVES。ライブハウスから中抜けしたカクダテくんのソロパートがあったり、映画に入り込んだみたいな感覚になった。私も登場人物の映画みたい。構成も照明もロマンチックだった。
一方、同じ事務所のnever young beachは、広いスタジオでカメラを乗せたプラレールが走る中、おもちゃもいっぱい、超ガチャガチャ、夏休みきた〜っていう映像。元気いっぱいやん。お菓子も美味しいやん。ライブを通して撮ったあと、音無しでいろんなテイクを映像だけ撮って編集した模様。サポートの家主ヤコブさんも強烈で、音が良かった。ライブ映像の後、まさかのもう1周!メンバーが映像を見ながらトークを生配信。斬新。2回見ることになるわけですよ、同じのを!

星野くんは、渋谷のクアトロから。10年前に初ワンマンをやった同じ場所、同じ日付。ドームクラスのライブで、ダンサーやお祝いメッセージVTRなど盛り沢山の演出が常になっている星野くん。このライブは、ただただ、バンドメンバーと輪になって一緒に演奏するだけのライブで、それがとても良かった。グッときた。いろんな思いが駆け巡った。歌詞がずっとテロップ出てるのも、じっくりと音楽に向き合えて良かった。

フレデリックは、アコースティックセット。アレンジめちゃ良い。変な話なんだけど星野くんもフレデリックも歓声がないところでじっくり聴けるのが、私はすごく良かった。ライブで言うところのオープン〜スタートの間のサービスコンテンツも楽しくて良かったな。ライブ会場でスタートを待ってる感じがしたな〜。

NakamuraEmiちゃんは、毎年恒例の七夕のライブを配信で。最後に手書きのメッセージカードが届いて、その手書きの温度が、いかにもEmiちゃんだし、七夕の短冊にも重なって、距離を埋めたい、近づきたい、届けたいの思いを感じて、、、すっごい暖かな気持ちが交わる七夕だった!



めちゃくちゃ長くなってしまったので、動き始めたリアルなライブのことや、お芝居のオンラインのことなど、投稿を改めますね。


オンラインでのライブのことを、私は積極的にラジオで話をしてます。アーティストが表現しているものを体験して、その感想をリスナーの皆さんと分かち合うという点では、オンラインになっても何も変わらない。全部のライブを見れないのも一緒。だからこそ、皆さんと共有したいです。リアルライブと同じように触れています。そうすると、やっぱりラジオやってて楽しいんですよね。窓際の小さなグループみたいに、音楽を真ん中に置いて、皆さんと緩い繋がりの中で一緒に居たいです。


◎写真は・・・
配信の翌日にアーカイブを昼間から見る。
よくある風景のひとつでした。
ケイシくんは、グッときたショットをスクショしてSNSにあげて下さいって言うてた。撮ったけど結局タイミング逃してアップしてなかった1枚。私は、メンバー3人が視線でタイミングを合わせる、ライブでは当たり前の絵面が、グッときました。