ぶつぶつ日記

こまきっぷ、絶景の宝庫・和歌の浦(1)



なんで昔の人はあんなに短歌を詠んでたのか。
全然、その動機がわからん。
と、思っていたんだけど、ちょっとわかってしまった!かも!

和歌山、とくに「和歌の浦」と呼ばれるエリア。和歌山市の南部、和歌浦湾に面した地域。西は雑賀崎、南は熊野古道の藤白坂まで。マリーナシティとか、みんな大好きバグースとかも、このエリア。この地域は古くから和歌によく詠まれてきたそうで。そんなこと言われてたとて、まぁ、ふーんですよね。

ただ、綺麗!見せたい!とシャッターを切りたくなるような時、カメラなんてない時代、どうしたと思います?写真を撮るような気持ちで、、、、ズバリ、和歌を詠んで記録して伝えたんですって。へー!おしゃれー!ていうか、和歌差し出されても、読み取る力、想像力がないと、全然素敵さが伝わらんわー。昔はみんな頭柔らかくて、心豊かやったってことやろうか。

だから和歌の浦に関する歌が多いということは、それだけ景色が素晴らしくて、たくさんの人が来たし、行きたいと思う場所だったということ。宮廷のお抱えの歌人っていうのは、宮廷専属カメラマンみたいなものかも?なるほど面白い。和歌を詠む意味がちょっと腑に落ちました。

そんなわけで、和歌の浦1泊2日。かっこいい風景を見て、そんな話を聞いて、いにしえのアレコレことが今の私と地続きに感じられた旅でした。





雑賀崎灯台からスタート。
傾斜にたくさんの民家が並ぶ雑賀崎の集落。迷路のような小道を上から抜けて漁港へ下りる。停泊する漁船と、魚を狙う猫、透明度の高い水の色・・・漁港ってかっこいいなぁ。水揚げされたものは、船から直接買うことができるだって。一般の人も買えるとか。その日に来たいなぁ。こんな穏やかな表情とは違う港になるんだろうな。港をぐるりと回って、反対側の奥和歌大橋の方から見る集落もいい。















印象的だったのが、海の青緑色と、石垣やお寺の境内の足元に使われていた緑色の石。
緑色片岩と呼ばれる石で、緑がむき出す崖のダイナミックなこと!古墳時代には石室に使われていたんですって。貴重で高価なものとういことかな。「紀州の青石」とも言われるとか。この石を2日間本当にいろんなところ〜お寺とか古い家とか〜で見かけて、なんだか気になりました。















海岸から離れて内陸に入っていくと、和歌浦天満宮と紀州東照宮が。初めてお参りできて良かった。青空に映えるお宮で、晴れやかな気持ちになりました。美しい風景をちょうどいい塩梅で見下ろせる形で存在する、和歌の浦の寺社仏閣。修行のように階段をのぼってのぼってのぼってお参りするところが多かったのです。しかもめっちゃ急勾配。


特に心動かされたのは、紀州東照宮。
説明をしてもらいながら本殿・拝殿の周囲の華麗な壁画や彫刻などを近くで拝観できます。これがすごく面白かった。大昔から縁起を担ぐのが好きよねぇ。












バクと猫のくだりが可愛いです。うふふ。バクってね昔は夢じゃなくて鉄を食べるって思われてたんですって。戦いが起きて鉄が武器になって使われてしまったところにはバクがいないんだって。食べるものがなくなるから。だからバクがいるってことは平和ってこと。その平和の象徴バクの視線の先には猫が平和そうに寝ているっていう遊び心。


↑バクの視線の先に
↓眠る猫








そして紀三井寺。西国三十三ヶ所観音霊場の第2番札所。
231段の階段!登り切ると流石に見晴らしが最高。桜の名所とのことで、その季節は極楽浄土のようなのかも。普段は拝観できない本堂内陣、さらにその奥の収蔵庫大光明殿まで拝観させてもらった。ありがたや。「紀三井寺参詣曼荼羅」という曼荼羅に紀三井寺にまつわる様々な縁起が描かれています。これ、所々、折り目がついているんですよね。持ち運んで広告のように色んな土地の人に見せては「こういうところなのでぜひお参りにいらしてください」とか、「こういうお寺ですので、ぜひお布施を・・・」なんてことが繰り広げられていたそうな。面白い〜〜〜〜!ちなみに2体の御本尊は50年に一度のご開帳なので2020年には拝観できるそうです。来年やん。





和歌浦天満宮の狛犬ならぬ狛牛にも、思わず一句。。。は詠んでいませんけど、写真はパチリ。菅原道真公のお使いの牛です。ていうか、背後の階段の急なこと!お分かりいただけるかしら。それだけに見晴らしが本当に素晴らしいです。


















紀州東照宮の楼門からと和歌浦天満宮の楼門から、どちらの景色も素晴らしくて。詠むわ、そりゃ。詠みたいけど詠めないから写真!灯台から見たり、ホテルの部屋のお風呂から見たり、どれも綺麗な海の景色だったけど、楼門越しの景色って、ちょうどフレームみたいになって最高だなと思いました。