うたたねシアター

「カフーを待ちわびて」(2009/01/20 テーマ:ストーリー)

この連載をずっと読んで下さっている方はお分かりでしょうが、私いわゆる「ラブストーリー」を見ないんです。だからこのコラム5年半くらいになりますがラブストーリーをピックアップするのは、多分初めてなのでは?しかも見てみたら、これが・・・!
「カフーを待ちわびて」という映画です。主役は玉山鉄二演じる「あきお」。沖縄の小さな島で愛犬カフーと暮らしています。マイコ演じる「さち」と名乗る女性から、ある時手紙が届きます。「絵馬の言葉が本当なら私をお嫁さんにしてください」。なぬ?冗談で書いた「嫁に来ないか、幸せにします」の絵馬をみた人のいたずらだろうな。が、まさかの展開!なんと本当にさちがやってくるのです。しかもめちゃ美人!しかも本当に嫁になるつもりらしい。どこから来たのか?何をやっている人なのか?本気なのか?ゆるやかな幸せと同時に感じる不安・・・。あきおの愛犬「カフー」というのは沖縄の言葉で「果報」「よい知らせ」の意なのだとか。カフーと一緒に静かに「果報」を待ちながら暮らすあきお。そして実際に果報がやってきたら、気持ちはワサワサとして幸せなのになんだか落ち着かない。そんなものなのですよね。恋愛から遠のいている私としては、当惑するあきおの気持ちがとってもよくわかるのです。自分にやってきた果報を信じられないなんて、なんて切ないんでしょう。泣ける!ただ待っているだけじゃカフーなんてやってこないだろうけど、あきおみたいにささやかな行動をしたら、もしかしたら私にも・・・?ラブストーリーを見て素直に夢見てる自分に驚きました。そんな自分の変化にちょっと嬉しい。涙。あはは。やわらかな暖かさがじんわりと心地よく、ゆっくりと根をはる幸福が欲しくなる映画でした。まぁしかし、私がラブストーリーを見ようと思うなんて、いったい私にどんなストーリーが展開しようとしているんでしょう・・・。それが気になるこのごろなのです。