うたたねシアター

「私は貝になりたい」2008/11/20UNIQUE

SMAP中居くん主演・最新版の「私は貝になりたい」をみました。というものの、実はフランキー堺主演のオリジナル版をちゃんと見た事がありません。幼少の頃にテレビで放送されていた映画版を、母親と一緒に見ていた事をなんとなく覚えているくらい。でも子供心にも「うまれかわれるなら、私は貝になりたい」という最後の台詞と、画面に映し出された海底の静かな貝の絵が、印象的に残っています。誰にも関わる事無くひとりぼっちのほうがいいなんて、どんなに生きていることがつらいことだったのだろうかと、戦争に対する異常なまでの恐怖心をいだきました。だから実際のところ今回が初めて見るようなものでしたが、私の中でなんとなく特別な存在の映画だったので、がっかりしたくないなぁと思って見てみました。結論から言うと、すごくよくできてました。想像通りでした。ただ、今まで私が思っていた「貝になりたい」理由が、実際は違いました。単なる「逃げ」ではなくて、それはもっと深い愛が根底に流れているからこその「貝になりたい」でした。ショックでした。理屈が通らない、自分の意志も関係ない、そういう時代。それは勉強もしたし、たくさんの映画などでも扱われているし、十分知っていた事実のはずだけど、まるで初めて知ったかのようなショックがありました。その悔しさや悲しさや恐怖感、そして家族を思う恋しさ、心配、心配させたくないという思い・・・映画に流れている全ての感情が手に取るように感じられて、本当にショックでした。涙が止まりませんでした。自分がくやしくて、涙が出ました。詳しい事は書きません。中居くんがどれだけでも取材を受けたいと言っていたそうなんですが、そりゃぁそうだろうなぁと思います。普通の優しいお父さんの表情、丸刈りにしたあとの表情、戦地での表情、牢獄での最後の表情、どれもこれもすごく良かったです。あ、別に中居くんファンでもなんでもないですから!