うたたねシアター

「スカイクロラ」(2008/08/20 テーマ:MIRACLE)

押井守監督「スカイクロラ」を見ました。アニメーションです。
舞台は、人々が平和を実感する為に「TVで観戦するショーとしての戦争」が繰り広げられている世界。その戦闘機のパイロットは、思春期の姿のまま永遠に年をとらない子供「キルドレ」達です。とんでもなく切なくむなしい宿命を背負っているんです。主人公は、全ての記憶を失って、新たな基地に赴任してきたカンナミ・ユーイチ(声:加瀬亮)。彼を始めキルドレ達の姿は、なんとなく思春期のころの自分を思い出させます。何のために生まれてきたんだろうなんて、時々考えたりもするけど、意味がないやと「なんとなく」の毎日にかえっていって、明日をどうやって楽しくするかを考える。つかの間の喜び。生きている感覚がもてない、なんとなく生きている。その繰り返し。映画の中でユーイチは、全ての事実を理解したとき、何かをかえるために奇跡をおこすために絶対に勝てない敵に立ち向かいます。結局待っているのは同じ結末。そうなるのが、わかっていても、それでもなお立ち向かう。これ、とても必要なことかもしれない。
確かな手応えがあるときと、全くないとき、色んな季節が巡っています。毎日同じことの繰り返しで、退屈だと思っている人もいるかもしれない。でも、全く同じ日なんてない。たとえ同じに思えたとしても、かえたいなら、少し違うことをしてみるだけで、何かがかわる。特に、自分の中では何かがかわる。自分の中がかわることこそが、実はとても大切で、素敵でドキドキすることの種だと思う。きれいごとに聴こえるかもしれないけど、最近の私が実感していることです。私は「スカイクロラ」からも同じメッセージを受け取りました。見た後に、照れずに自分会議をしてほしい映画です。
「希望がないってことに希望があった」というのはアナログフィッシュのある曲の歌詞。希望はある。奇跡が起きるかは分からないけど、きっと希望はありますよ、誰の毎日にも。