うたたねシアター

「全然大丈夫」(2008/01/20 テーマ:World)

荒川良々の初主演映画「全然大丈夫」を見ました。世の中には生きるのが上手い人と、そうでない人が居ます。多分、私は不器用な人間に分類されると思う。そんな私が言うのもアレですが、不器用な人っていうのは、おそらく自分の好きなものが自分でハッキリ分かっているから、それを曲げられないんです。そこが揺らぐと自分の存在意味がなくなる、そんな大袈裟な事を考えてます。敏感に色んな事を感じ取って被害妄想に近いことまで発展しがちです。ま、実際のところは、自分の中から偏った所を無くしたら、他の人と並んだ時に違いがなくなるのが怖いし、負ける(何に?)気がするんですね。そう、傷つきたくないからこそ自分の世界を確立させて守ってしまうわけです。ちょうど荒川良々がそういう役です。来年30なのにオバケに凝っていて、いつかはお化け屋敷を作るなんで夢みてるんです。こうして客観的に見ると、言い訳して逃げてるようにしか見えないんだけど、当人は前述したとおりの理論で生きているわけです。私、「ですよね〜」で生きていけたら、どんなにか平和だろうかと思っていたんです。そしたら岡田義徳が荒川良々の親友のそんなサラリーマン役で登場。それはそれで、しわ寄せが来てしんどいんですね。嫌われたくないだけなんですね。悲しいなぁ。もう1人登場する不器用さんは木村佳乃。ありえない鈍くささで仕事をクビになる、絵と本とチクワが好きなマニアックな人なんだけど、これが最後には幸せになっちゃうわけですよ。おい、そーなるかよ!そんな出会いないってば!くそー。すごく面白かったし、見て良かったなぁって思うんだけど、人生うまくいってない自分に対して言い訳してるみたいな、全然大丈夫って言い聞かせてるみたいな、実際はそんなに上手く行くわけないし、なんだかちょっぴりみじめな気持ちになっちゃいました。とほほ。
追記:他にも、蟹江敬三や白石加代子ら、強烈な惹きがいっぱいですよ。