うたたねシアター

「めがね」(2007/09/20 テーマ:OPEN)

きたきた。ついに「かもめ食堂」チームによる新作「めがね」公開!楽しみにしてたんですよね〜。だって、加瀬亮、珍しいキノコ舞踊団、メルシー体操、大貫妙子・・・見事にツボをついてくるキーワードがズラリ!もちろんかもめ同様、小道具がいちいち可愛いし、料理もめちゃおいしそう!さて、舞台はどこかの島。仕事から逃げて一人で旅に出てきたらしい小林聡美。時を同じくして小さなかばんひとつで到着するもたいまさこ。小林聡美が宿泊する「ハマダ」という小さな民宿。毎朝浜辺で子供を集めて行われるメルシー体操。宿泊しているわけでもないのにハマダで小林聡美と食事を共にする市川実日子。あたりまえに展開する全ての事に、小林聡美は馴染めないんだけど、小林聡美をおいかけてきた加瀬亮には普通に入り込む。なんで?なんで?郷に入れば自然と郷に従う人。それはマナーとか良識とかそういうのではなくて、溶け込むという素質?土足で入り込むのではなくて、みんなが自然に開いている感じ。
何度も出てくる「たそがれ」という行為は、ぼんやり何かを考えたり考えなかったり、その場の空気と1つになる事なんじゃないかな。自分と自然、自分と他人、自分と地球との垣根がなくなる感じ?「たそがれ」を出来る場所はその人にとって桃源郷なのかも。そう、最近私は桃源郷について考えてまして。桃源郷=理想郷、理想は普通の自分を受け入れて貰えて、しかも後退せず、ヒラメキやハリのある状態。精一杯頑張って何とか「土井コマキ」を維持出来ている私にとって、気を抜いても今を保てるのはもはや魔法じかけ。自分が開ける桃源郷。それはどこかの土地かもしれないし、特定の誰かさんが居る場所なのかもしれない。どっちにしても、私はまだ探している途中。映画みたいに、かき氷を食べてキーンとなったら覚醒するのかな。かもめ食堂ほど動きはないけれど、その分じんわり響いて「たそがれ」てしまう映画です。