うたたねシアター

「アメノナカノ青空」(2005/11/20 テーマ:COOL)

「アメノナカノ青空」という韓国映画を見ました。不覚にも涙が出ました。愛するってどういうことなのかなぁって考えます。主人公は女子高生のミナ。生まれてからずっと入院生活をしてきて、最近やっと普通に学校に通えるようになったけれど、なんとなく学校に馴染めない。ある日同じマンションにカメラマンのヨンジェが引っ越して来て、だんだん気持ちが近づいて行く2人。ヨンジェが撮るミナの写真がまたいいんですよね。2人の距離の変化がよくわかるんです。でも恋愛よりも私はミナの母親の愛情がとても胸に響きました。実はそんなに長く生きる事ができない我が子に、そのことを隠して気丈にふるまう母親の愛情。残された時間に、せめて普通の女の子が経験するような学校生活や恋愛や旅行などをさせてやりたい...。最愛の人がもうすぐ死んでしまうのだと分かったとき、どうするでしょう。私は基本的に好きになるとその人が喜んでくれる事をしたくなるんだけど、苦しむだろうな。たぶん選択肢はいくつか出てくるだろうし、とても悩むと思う。愛していたら迷わないでいられるのかな。きっと弱いから、もう最後なんだと思ったらわがままになってしまうかもしれない。情けないけど。だけど、強さと弱さと綺麗なところと汚いところ、両方あるのが人なのだと思う。日本版主題歌になっているセカイイチの「虹」という曲はまさにそういう曲。しかも初めて聴いたのはずいぶん前のライブだったんだけど、その日の日記帳に私は前述のようなことを書いていた。だから映画を見てそのシンクロ具合にドキリとしたのです。今回の誌面のテーマはクールですよね。クールというのは私にとってはシャキッと背筋が伸びるような格好良さ、グッと正面を現実を見据えるひたむきな美しさ。だとしたら、このお母さんの選択と、そして最後に流れるセカイイチの歌は、最高にクールだと思う。愛ってクールであるものなんだな。尊敬。